2020.09.16 05:49ドキュメンタリー『ソウル・パワー』ピーター・バラカンさんが選ぶ、ぴあフィルムフェスティバル内の企画「ブラック&ブラック」、今年は『ソウル・パワー』でした。中央アフリカはザイールで、アフリカン・アメリカンとアフリカのミュージシャン達が一堂に会する、3日間に渡る音楽イヴェント。30年以上眠ったままになっていた...
2020.09.14 05:46映画『スペシャルズ!~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~』エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ『スペシャルズ!~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~』を観ました。ヒットした『最強のふたり』は僕も痛快に楽しんだけど、監督たちが本当に撮りたかったのはこれなのかな、と思った。とても難しい題材だけに、登場人物たちも常に走り...
2020.09.10 05:37ドキュメンタリー『マイルス・デイヴィス クールの誕生』ドキュメンタリー『マイルス・デイヴィス クールの誕生』を観ました。マイルズの生涯と音楽を2時間にまとめるという力技。何度か迎える音楽的最盛期も、さらりと触れる程度ですが、改めて聴き込みたくなりました。よく知られる『マイルス・デイヴィス自伝』が基になっているようで、ファンからしたら...
2020.09.02 05:35ドキュメンタリー『ようこそ映画音響の世界へ』ドキュメンタリー『ようこそ映画音響の世界へ』を観ました。音楽以前に音そのものに興味があって、なおかつ映画も好きなので公開前から楽しみにしていた作品。無声だった映画の誕生期から、現在の音像作りまで、順を追って具体例も引きながら解明してくれる。普段は表に出ることのない裏方だけれど、彼...
2020.09.01 09:33映画『ぶあいそうな手紙』アナ・ルイーザ・アゼヴェード監督&脚本『ぶあいそうな手紙』も観ました。老境で視力も衰えてきた独り暮らしの主人公。彼の代わりに手紙を読み、的確な助言もしつつ口述筆記する若い女性。決して説明しすぎず、どこか一筋縄では行かない人物造形が、物語に奥行きをもたらしている。散りばめら...
2020.09.01 05:30映画『オフィシャル・シークレット』『オフィシャル・シークレット』を観ました。戦争を正当化するための謀略を知った主人公は、目をつぶって仕事に徹するか、法を破り機密を公表することで侵攻を止める可能性に賭けるかで引き裂かれる。実話を基にした映画で、イラク戦争前夜の内幕を知ることができる。実在の英国諜報機関職員キャサリン...
2020.08.27 05:27映画『ミッドサマー』(ディレクターズカット版)アリ・アスター『ミッドサマー』ディレクターズカット版、怖すぎてやがて笑ってしまう。脚本も手がけた監督は、どのようにしたら人間は恐怖を感じるのかを常々考えていそう。光が溢れる明るい画面、一見優しげな舞台装置がより対比を深める。主演フローレンス・ピューの起伏ある演技も真に迫っていた。
2020.08.26 05:25映画『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』アグニェシュカ・ホランド『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』を観ました。原題は”Mr. Jones”で、実在の英国人記者ガレス・ジョーンズ Gareth Jones の苦闘を描く。1933年の世界恐慌下で、ロンドン→モスクワ→ウクライナへと、たった1人で真実を追いかける。細かな編...
2020.08.18 05:23ドキュメンタリー『はりぼて』ドキュメンタリー『はりぼて』を観てきました。地元TV局の丹念な取材によって、富山市議たちの不正が芋づる式に発覚する。その悪事の小ささ、あさましさに劇場からも度々冷笑が起こった。罪の自覚もなく居直る姿を見ると、スパッと議員辞職した人の方がまだしも潔く思えてきてしまう。どちらも法を破...
2020.08.11 05:18映画『はちどり』映画『はちどり』は観られて本当に良かったと思える作品。細部に至るまで目が行き届いた演出や、微細な表情を映し出すカメラワークなど、どれも優れている中で、とりわけ脚本が突出している。より大きなものを同時に重ね描いていたことが、次第に明らかになってくる。キム・ボラ監督はこれが長篇デビュ...
2020.08.11 05:16音楽ドキュメンタリー『ランブル』音楽ドキュメンタリー『ランブル』これは必見です。よくぞこれだけの映像を集めたと感心するほどの力作。先住民族たちをルーツに持つ音楽家がこれだけ多くいて、そのことを誇りに思いながらも、ときには足枷となる負の側面もしっかりと描かれている。アメリカの文化が世界に広く影響力を持つ理由の一つ...
2020.08.06 05:13ドキュメンタリー『なぜ君は総理大臣になれないのか』大島新『なぜ君は総理大臣になれないのか』。小川淳也という一人の実直過ぎる議員を捉えることで、ここ十数年の日本政治が抱える課題も明確に浮かび上がってくる。選挙活動の内側や、近い人たちの葛藤も生々しい。こういう志ある人が力を発揮しきれないのは、有権者側の挫折でもある、と僕は感じた。